日蓮大聖人とはいかなる御方か（広告文より転載）

　日蓮大聖人は、末法濁悪（まっぽうじょくあく）の人と国を、根底からお救い下さる大慈大悲・絶大威徳（ぜつだいいとく）の御本仏であられる。

人生の目的は成仏にある

　人生の目的を知らずに生きているのは、行先不明のバスに乗っているのと同じである。

　人生の目的は、実に成仏（じょうぶつ）を得るにある。成仏とは、生死（しょうじ）を乗り越えて永遠に崩れぬ、無上の幸福境界をいう。

　日蓮大聖人の仏法を実践すれば、いかなる人も宿命が変わり、現世（げんせ）には幸（さいわ）いを招き、臨終には成仏の相を現じ、死後の生命も大安楽を得る。これが成仏の境界である。

　死後の未来のことなどわからぬ、という人もあろう。しかし、仏法は空理・空論ではない。すべて証拠を以て論ずる。

　その証拠とは臨終（りんじゅう）の相である。

　臨終は一生の総決算であると同時に、臨終の相に、その人が死後の未来に受けるべき果報が現れる。だから臨終は人生の最大事なのである。

　ゆえに日蓮大聖人は

　「されば先づ臨終の事を習うて後に他事を習うべし」

　と仰せられている。

　では、地獄に堕（お）ちる相、あるいは成仏の相とはどのようなものかといえば

　大聖人は

　「人は臨終の時、地獄に堕（お）つる者は黒色（こくじき）となる上、其の身重き事千引（ちびき）の石（いわ）の如し。

　善人は設（たと）い七尺八尺の女人（にょにん）なれども、色黒き者なれども、臨終に色変じて白色となる、又軽き事鵞毛（がもう）の如し、輭（やわらか）なる事兜羅綿（とろめん）の如し」と。

　すなわち、地獄に堕ちる者は、死してのち遺体が黒くなるうえ、硬（かた）く、重くなり、恐ろしい形相（ぎょうそう）となる。

　一方、成仏する者は、臨終ののち色が白くなり、軽く、柔らかく、かつ何とも柔和（にゅうわ）な相となるのである。

　臨終の相だけは人の意志の及ぶところではない。この因果の法則を説き切るのは、日蓮大聖人の仏法以外にはない。

　地位や財産による幸福はすぐに崩れる。現当二世（現世と来世）にわたり永遠に崩れぬ幸福は、成仏の境界以外にはない。

　日蓮大聖人こそ、我ら凡夫を仏にして下さる大慈大悲の御本仏であられる。

立正安国論の予言的中

　国家の興亡盛衰（こうぼうせいすい）の根本原因は仏法の正邪（せいじゃ）による。もし国中が邪法（じゃほう）を信じて正法（しょうぼう）に背けば国に天変地夭（ちよう）・内乱・他国侵逼（たこくしんぴつ）等の災難が起こり、正しい仏法を立てれば国は安泰（あんたい）になる。これ仏法と国土を守護する諸天善神（しょてんぜんじん）の力用（りきゆう）による。

　日蓮大聖人は時の国主に対し、立正安国論を以て

　「念仏・真言・禅・律等の邪法に執着して、法華経の肝心たる三大秘法を立てなければ、この国必ず他国侵逼（たこくしんぴつ）の大難を受ける」（取意）

　と諫められ、さらに

　「国を失い家を滅せば、何れの所にか世を遁（のが）れん」と警告された。

　しかし日本は四方を海で囲まれている。当時、この他国侵逼の御予言を信ずる者は誰もいなかった。

　だが十四年後、御予言は事実となった。世界を侵略・席捲（せっけん）した大蒙古（だいもうこ）が、日本を亡ぼすに足る圧倒的な兵力を以て二度も襲来したのである。

　日蓮大聖人の御予言は、海外情勢などによる推測などではない。実に、仏法を守護する諸天善神に申し付ける絶大威徳（ぜつだいいとく）を以ての御断定であれば、違（たが）うことがないのである。

　もし他国侵逼（たこくしんぴつ）が事実になれば、人々は始めて改悔（かいげ）の心を起こし、死後の無間地獄（むげんじごく）を今生（こんじょう）に消滅させることができる。

　立正安国論の御予言はまさにこの大慈大悲であられる。

　ゆえに大聖人は

　「現世に云いおく言（ことば）の違（たが）わざらんを以て、後生（ごしょう）の疑いをなすべからず」

　また

　「あへて憎（にく）みては申さず、大慈大悲の力、無間地獄（むげんじごく）の大苦を今生（こんじょう）に消さしめんとなり」

　と仰せられている

　また、この予言的中を見れば、もし日本国一同が日蓮大聖人を信じて南無妙法蓮華経と唱え奉り、御遺命（ごゆいめい）のままに国立戒壇を建立すれば、日本は仏国（ぶっこく）となって真に安泰になること、断じて疑いない。これが「立正安国」の実現である。

国家権力も御頸切れず

　日蓮大聖人の折伏に対し、教義上の反論ができぬ邪僧らは、民衆を煽動（せんどう）し国主に讒奏（ざんそう）して、大聖人の命（いのち）を奪わんとした。かくて、ついに国家権力による死罪が執行されたのである。

　文永八年九月十二日の深夜、大聖人は竜の口（たつのくち）刑場の「頸（くび）の座」に坐（ざ）し給うた。そして大刀まさに振り降（お）ろされんとしたその刹那（せつな）、「月のごとく光たる物」が突如（とつじょ）出現し、太刀取（たちとり）は目がくらんでその場に倒れ伏し、数百人の兵士たちも一斉に逃げ出し、みなことごとく砂浜にひれ伏してしまった。

　ひとり頸（くび）の座にまします大聖人は高声（こうしょう）に

　「頸（くび）切るべくわ急ぎ切るべし。夜、明けなば見苦（みぐる）しかりなん」

　と死刑執行を催促（さいそく）された。しかし近よる者とてなかった。

　まさに国家権力が、ただ一人（いちにん）の大聖人の御頸（おんくび）を切れず、かえってその絶大威徳の前にひれ伏してしまったのである。このような不可思議（ふかしぎ）・荘厳（そうごん）な光景は、この地球上に未だ曽てない。

　この思議（しぎ）を絶する大現証こそ、日蓮大聖人が久遠元初（くおんがんじょ）の御本仏（ごほんぶつ）、末法の全人類をお救い下さる仏様であることを顕わすものである。